吹きガラスの技法は古代ローマ時代から変わらない原始的なものです。

体験教室も人気!ガラス工芸の代表格「吹きガラス」の手法

吹きガラス

吹きガラスイメージ画像

 

吹きガラスはガラス工芸の代表格の存在です。
有名になったのは作品というよりも、手軽にガラス工芸を体験できる教室系イベントによるものです。テレビでも頻繁に吹きガラス体験教室の様子やレポートを取り上げられています。

 

高温溶融させたガラスを吹き竿と呼ばれる金属管の端に巻き取って、空気を吹き付けながら、クルクルと回転させて成形する技法で、古代ローマ時代から変わらぬ原始的なものです。
型に吹き込んで成形する技法とベンチ台などを使い中空で成形させる中空技法の2種類があります。
グラスや花瓶などの容器が代表的な作品です。

 

 

吹きガラス工房は体験教室が中心

吹きガラスは工場による大量生産が普及する前は、庶民の使う日用品の生産として活用されていました。現代においては、工場生産したグラスやガラス容器に比べてコストが割高で、機械生産でもオシャレなガラスがたくさんあることから、吹きガラスを行う工房は販売だけで生計を立てるのは難しいです。
そこで、シンプルな技法かつ作る工程の面白さを活かした体験教室を行い、観光客などを相手にハンドメイド吹きガラスの製作体験を主な収入源にしています。
素人でも簡単に実用できるクオリティのガラスを作れることもあって、吹きガラス体験を行うガラス工房は全国各地にあります。
訪れた人からは、プロが作った熟練の吹きガラスに魅力を感じて、販売品を購入するケースもあります。

 

 

吹きガラスの作り方

 

溶解炉で溶けたガラスを巻き取る

ガラスが完全に溶ける温度は1,400度です。巻き取った状態のガラスも約1,300度あります。
ガラスは熱すると溶けて再利用することもできますが、日常生活の中でガラスの溶けた状態を見れる機会はありません。溶けて赤くなったガラスを自分の手で成形していくのが吹きガラスの醍醐味です。

 

 

色を付ける

一般的な吹きガラスは、溶けた粒上の色ガラスを付けて色付けを行います。
溶けたガラスを巻き取ったら、作業台の上にある色ガラスの粒を周辺に付けていきます。
この段階で色のデザインを行い、部分的に付けることでグラデーションや模様を付けることもできます。
色付きの粒ガラスをつけたら、再度溶解炉に入れて溶かします。

 

 

ガラスを膨らませる

吹きガラス作りのメインイベントです。
溶けたガラスが垂れないようにクルクルと回転させながら息を吹き込んで風船を膨らませるように広げていきます。早い段階であれば失敗しても再度溶解炉で溶かしてやり直すことができます。
一定の大きさになったら、濡らした新聞紙で作った「紙りん」で赤く光るガラスを整えていきます。
熱したガラスを新聞紙を通して触るのは怖いですが、熱さを感じることはほとんどなくガラスを手の感触で整えていけます。
形を整えたら、再び息を吹いて完成サイズを意識しながらガラスを膨らませていきます。

 

 

飲み口を作る

ガラス細工では、開口部のことを「くびれ」と呼びます。
洋ばしと呼ばれる巨大なピンセットで根元付近に穴を開けて開口部を広げていきます。
コップや花瓶、灰皿や小皿など用途に応じたくびれを作ります。

 

 

底を整える

飲み口の部分を作ったら、今度は木ごてを使って、竿を回転させながら底を整えていきます。
シンプルで簡単な工程ですが、初心者がもっとも失敗するポイントです。
まっすぐで平行な底を作らないといびつな形になったり、安定感を失って実用性に問題が出てしまいます。

 

 

竿を移す

ポンテ竿と呼ばれる加工用の竿に吹き竿から移し替えて底の部分に固定します。
先にポンテ竿を底の部分に付けたら、飲み口にあたるクビレ部分を切り取って引き離します。

 

 

最終調整

飲み口を広げて形を再度整えば完成です。
完成したら一晩を冷却して完全に固まるまで待たないといけません。
吹きガラス体験は基本的に持ち帰りすることはできず、後日完成品が郵送で送られてきます。

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