先輩学生の声
卒業生に聞く (第20期生 2003年研究科修了)
神代 良明
Q.建築設計事務所を辞めて研究所へ入学されたそうですが、ガラスの道をを選んだ理由は何ですか?
A.休暇で沖縄へ行き、吹きガラス工房を見学したときのこと。真っ赤なガラスがあっという間に器の形に成形されていくスピード感に圧倒されました。建築の仕事はフィードバックの連続ですから、ウニャウニャ動くガラスと、それを扱う職人さんの確かな技との間にある凝縮された時間は衝撃的で魅了され、こんな世界でモノをつくりたいと思った。元々焚き火好きだった自分の中の何かに点火されたものもあったような気もします。
Q.在学中、一番思い出に残っている出来事は何ですか?
A.初めて熔けたガラスを吹き竿で巻いた時、初めてのパート・ド・ヴェールで出てきた青・・・忘れられない事柄ばかりですが、卒業制作展に来てくれた父が僕のモノを観て言った『わからん』の一言。モノをつくっていくという世界がとても非情で、でも何かを信じられるところだと感じた一瞬でした。それから、仲間たちと飲み明かした時間。
Q.ガラス作家として活動を続けておられますが、神代さんにとって「ガラス」とは何ですか?
A.ガラスを素材としてモノを立ち上げ続けてきたことは、実はガラスだけを見てきたのではなく、ガラスを見続けることで日常のモノ・コトと自分を繋いできたのだと感じます。私にとってガラスはこの世界と自分を映す鏡のような存在で、これらが繋がっていく手応えを喜びとして教えてくれています。
Q.後輩へのアドバイスを一言、「在学中これだけは心掛けよ!」
A.色々な方法や歴史・現在に出会いながら、『あなたがどうしようもなく惹かれてしまうこと』、『そういうふうにできているあなた』を確認していって下さい。そして時には衝動的・発作的に行動しちゃえる思い込みと勇気でどんどんチャレンジを試みながら、やわらかく強くなっていく自分を拾い上げていって欲しいと願います。
略歴
1968年 千葉県生まれ
1994年 東京理科大学大学院理工学研究科建築計画専攻 修了
株式会社現代計画研究所勤務(〜2000年)
2003年 東京ガラス工芸研究所研究科 修了
2006年
第4回千葉市芸術文化新人賞/金沢卯辰山工芸工房 ガラス工房技術研修者 修了
展覧会
2004年 個展 <ギャラリーエス 東京>
2005年 個展 <ギャラリーゆこもり 長野>
2006年 個展 <アート・インタラクティヴ東京 東京>
かわさきガラス作家展2006
<川崎市産業振興会館
神奈川>
2007年 Allure of Japanese Glass
<Pittsburgh Glass Centerペンシルバニア>
個展 <cafe & galerie NAJA 千葉>
2008年 個展 <画廊椿 千葉>
2009年 ART SELECTION NOW vol.3
<ギャラリーNOW 富山>
ガラスの変貌 展 <ギャラリーヴォイス 岐阜>
個展 <ガレリア・アッカ 東京>
公募展
2004年 国際ガラス展・金沢2004 大賞(2007年 入選)
<香林坊大和/石川県能登島ガラス美術館>
2005年 洞爺村国際彫刻ビエンナーレ2005
<洞爺村総合センター 北海道>
New Glass Review 27(同30,2008年)
<The Corning Museum of Glass ニューヨーク>
2006年 第8回 大分アジア彫刻展 <朝倉文夫記念文化ホール 大分>
2008年 大一美術館 現代ガラス大賞展2008 奨励賞 <大一美術館 愛知/山木美術 大阪>
主な収蔵先
金沢市 / 富山市?/ Alexander Tutsek-Stiftung<ミュンヘン>
The Corning Museum of Glass <ニューヨーク> / 大一美術館<愛知>
2008年度
総合基礎科 広垣 彩子
東京ガラス工芸研究所に入学を決めるまで、とても時間がかかった。
本当に正しい選択なのかという迷いや将来への不安もあった。けれど、その時間のおかげで今は真っ直ぐにガラスと向き合う事ができている。
不安が無いと言うと嘘になるが、同じ思いを持った仲間や先生方、支えてくれる家族が周りにいる。その事に感謝して、後は自分自身が決断し、行動するだけだと思う。
充実し、恵まれた環境で学ぶ事のできる今、その事に甘えず1日1日を大切にしていきたい。これからまた迷う事があったとしてもこの気持を忘れずに、自分の信じたみちを最後まで歩んでいきたい。
そして、人の心を動かす力のある作品を造り続けていきたいと思う。
総合応用科 伊藤 真理
私がこの学校に入学して、ここで生活し始めて1年と数ヶ月経ちました。
決して長い時間ではありませんが、入学する前より色々な技法を知ることができて、知識も増えてきたように感じています。こういったことはこの学校で得ることのできた大切な物だと思っています。
しかし、今、一番自分の中で大きく思っていることは人との出会いです。東急展や修了展など自分達が作った物を通しての出会い。学校を訪れる人や地域の子供達との出会い。そして何より、校内で同じ時間を過ごしている人達との出会いです。この学校には様々な経歴、様々な年齢の人達がいます。この学校に通わなければ話を
することも、ましてや一緒にお酒を飲むこともないと思うような、そんな人達と出会うことができました。
私はここで出会った人達から大きな影響と沢山の栄養をもらっています。ここでの出会いや時間はこれから先も制作へのパワーになってくれるのだと思います。
研究科 内藤 和歌子
私は、テキスタイルデザインを勉強していましたが、ステンドグラスの店に就職したことをきっかけに、ガラスに興味を持ちました。そして、もっとガラスという素材を知りたくなり、東京ガラス工芸研究所に入学しました。
本校で、ガラスの技法や知識は勿論のこと、造形を学んだことで、頑なであった自分の考え方が、大分柔らかくなり、視野が拡がりました。粉のようなことを得て臨んだ、卒業制作では、ガラスとテキスタイルデザインを組み合わせた作品を作ることで、自分が今まで学んできたことが繋がり、今後、作品を作っていく上での自信となりました。
研究所に入学して、今年で三年目を迎えることができました。今、得ることの出来た、学ぶという時間を大切に、制作に励んでいきたいです
2007年度
総合基礎科 山崎 明日香
東京ガラス工芸研究所に入学してから、4ヶ月が経とうとしている。しかし、不思議なことに、もっと長い期間を研究所で過ごしている気がする。多分、それ程までに研究所での時間が濃密なものであったからであろう。
この研究所では、多くの技法を短い期間で学ばなければならない。それ故1日の集中力がとても重要になる。集中すればする程多くの発見ができる。そして、その発見が、ガラスと自分との距離を少しずつ縮めるのである。
それだけでなく、様々な発見を通して、ガラスに対する思考が変化していき、ただ楽しい、きれい、好きなだけではできない事を切に感じていくのである。それでも、ガラスを学び続けていく事により、今はまだ分からない独自のガラスでなければならない理由を見つけたい。そして、その為に毎日を大切にし、一つ一つの作業から多くの発見をしていきたいと思う。
総合応用科 朴 秀研(パク スヨン)
国で金属工芸を修学致しましたがガラスの美しさと金属工芸とのコンビネーションを作業する為、東京ガラス工芸研究所応用科に編入させて頂きました。日本の文化および日本語に慣れていなかったので心配でしたが、授業が始まってからは杞憂だと分かりました。
同じ目標を目指す親しい同期生達と情熱溢れる先生方とガラス理論と概念およびテクニックを学びながら楽しい時間を過ごしています。今までの創作活動とは異なる新たな作業を先生の激励を受けながら進めております。
また、個人の作業が自由に出来る便利な設備と先進の教育プログラムの中で、私の選択が間違いないことを確信しております。この経験は、今後、私の活動の中で非常に貴重な財産になるでしょう。
研究科 新田 由美子
東京ガラス工芸研究所に入学し、早いもので3年目をむかえています。
かつて、ガラスと出会い、2年ほど本校の一般公開講座に通い、吹きガラスを習っていた時がありました。ガラスから発せられるエネルギーは、今まで出会ったどの素材からも感じえなかった『力』をもっており、私はその力に強く引きつけられ、ガラスであれば、何か私にしかつくれないモノができるのでは、と考えるようになりました。
その時は、実行に移すことなく、ガラスから離れることを選択しましたが再びガラスを手にする機会を得た今、自分の恵まれた環境に感謝する毎日です。与えられた時間を大切にし、ガラスと共に良いモノがつくれるよう、努力していきたいと考えています。
2006年度
総合基礎科 正木 絵里子
10年前、芸術を学びたいという希望を一旦は諦め大学に進学した。今思えばその頃の希望は漠然としたものだったが、学生時代にバイクで日本中を旅したり、幼い頃からあこがれ続けた異文化の問いを歩いたりしているうちに、大切な思い出の断片にガラスの輝きがあることに気づいた。
誰かの心に暖かく響くようなガラスをいつか私も作れるようになりたいと吹きガラスを習い始め、その頃東京ガラス工芸研究所の存在を意識するようになった。社会人になってからいつも心はガラスにしがみついていた。紆余曲折を経たおかげで私の希望は明確になった。
今は先生方や仲間たちに刺激を受けながら毎日が輝いてみえる。やるからには全力で。私はこの東京ガラス工芸研究所で夢の一端が紡がれることを確信している。
総合応用科 黒川 大介
熔けたガラスを初めて見たときから、その眩い輝きと柔らかな動きに私は完全に魅了されてしまった。
大学では工業デザインを学び、たくさんの人に使ってもらえるものを作りたいと夢見ていたとき、ガラスに出会った。この美しい素材を用いて、デザインだけではなくものづくりのすべての工程を自分の手でできるという可能性を見いだし、東京ガラス工芸研究所に入学した。
この学校はガラスに関する様々な技法、知識を学ぶことができ、また多くの先生方や友人に支えられ、思う存分作品作りができるとても良い環境だと思う。ここで学んだことを生かしてこれからも多くの作品を生み出していきたい。
研究科 大倉 健
作家としていかに自分の作品を生み出すかを考えていくのが研究科です。
つまり、基礎科、応用科で学んできたことを踏まえて、もう一度ガラスを見つめ直し今まで知らなかったガラスの表情や特性を探ること。そして、自分は何を表現したいのか、それにはどうすればいいのか、どういう方法が相応しいのかを自分に問いかけ、実践していくことが、研究科の主要なテーマです。
作家として世に出していく大切なことは、自分らしさを出すこと、それを上手く伝えること、作品に語らせることです。このところを考えるのに、先生と向き合い、仲間の作品に刺激を受け、ときにわけがわからなくなり、ときに何かを掴み、ときに尻を叩かれながら、留学を視野に入れつつ、製作に励んでいます。
2005年度
総合基礎科 村武 剛
私はこの学校に入学し初めて一人暮らしをしました。しかし料理などは今までにしたことがなく、そこにバイトが加わるといっきに疲れが出て最初の頃は学校どころではありませんでした。
しかし今ではそんな生活にも慣れ、毎日がとても充実しています。何の目標もなくただ漠然と勉強していた高校時代から急に一日も無駄にできないほど濃密なものに変わったのです。今はその生活がとても大切なものになりました。
卒業後のことは、まだ技法を教わっている最中ということもあり、はっきりとは決まっていません。あたりまえのようなことだけれど、毎日を一生懸命にそして今を大切にすること。それを心掛けていれば自ずと道は開ける、そう思っています。
総合応用科 山田 のゆり
ガラスという素材に魅力を感じ、その何とも言葉に出来ない存在感を持つ美しさに心を奪われ、幼い頃からガラス工芸家になるのを夢見ていました。高校三年の春、美術系の予備校に通い、浪人一年目の頃、ガラス関係の様々な本を読み、この東京ガラス工芸研究所の存在を知りました。
ガラスの様々な技法、ガラスの工業論、工芸史、造形ゼミなど、専門的に学ぶことが出来るという事で、とても魅力を感じました。合格を知った時、あまりの嬉しさに涙が出ました。
東京ガラス工芸研究所の日々はびっちりと濃く、毎日が輝いています。沢山の先生方や友人達に支えられ、大好きなガラスで作品を作り出す。自分が幼い頃から感じているガラスの魅力、世界中の人々の心に残ってゆく様な作品を発表して行きたいと思います。
研究科 矢野 美佑紀
東京ガラス工芸研究所に入学して三年目、一年目はガラスの基礎、二年目はその知識をより深め、三年目はガラスでの造形を学べます。その三年目に思うことは、「私にとってガラスとは何か」です。
ガラスで何かを表現するということは、自分にとってガラスとは何かを考える必要があるのではないかと思いました。その答えをこの一年で出せるとは思いませんが、様々な考え方のきっかけが、この学校にはある気がします。
幅広い年齢層の生徒や、気さくに話せる先生、その中で自分の持っている価値観を見つめなおし、自己を改めて考えるとき、身の回りにあるものや、ガラスの意味が見いだせる気がします。
東京ガラス工芸研究所では、全日制コースの資料請求・一般公開講座へのお申し込みを受け付けております。まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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